元記事
https://www.newstarget.com/2026-07-18-study-microplastics-blood-linked-severe-heart-attacks.html
イタリアの研究チームが、最も重篤な心筋梗塞の一つ「ST上昇型心筋梗塞(STEMI)」の患者さんの冠動脈の血液中、84%からマイクロプラスチックを検出しました。ローマ・サピエンツァ大学のエマヌエーレ・バルバート教授らが実施したこの研究は、環境汚染物質と心血管疾患の関連を示す新たな証拠として注目されています。
研究の主な結果
- 心筋梗塞患者:冠動脈の血液中でマイクロプラスチックが検出されたのは84%
- 健康な冠動脈の人:検出されたのは32%
- 最も多かったプラスチック:包装などに使われるポリエチレン(検出されたプラスチックの97%) pubmed.ncbi.nlm.nih
この結果は、2024年に発表された「動脈硬化のプラークにマイクロプラスチックがあった人は、心筋梗塞や脳卒中、早期死亡のリスクが大幅に高かった」という先行研究を補強するものです。今回の研究はプラークではなく、心臓に流れる血液そのものを測定した点が新しいアプローチです。
研究方法と発見
STEMIは、冠動脈が突然詰まって心筋への血流が止まり、緊急治療が必要な状態です。研究では、冠動脈造影を受けた患者さんの冠動脈から採った血液を分析。その結果、STEMIを経験した人の大多数からマイクロプラスチック粒子が見つかりました。
さらに、マイクロプラスチックが検出された患者さんでは、プラークの不安定化や心筋梗塞に関連する炎症マーカーの値も高い傾向にありました。これは、動脈プラーク中のマイクロプラスチック・ナノプラスチックが炎症を高めるという過去の研究と一致します。ナノプラスチックは非常に小さいため、消化管や肺から血液中に移行し、主要臓器の細胞や組織に入り込むことが可能です。 pubmed.ncbi.nlm.nih
独立したリスク因子も特定
研究チームは、喫煙と長期的な微細粒子状物質(PM2.5など)への曝露が、血液中のマイクロプラスチックの存在と独立して関連する因子だと報告しています。バルバート教授は「喫煙は毒素の供給源であると同時に、プラスチックが血液に到達する経路にもなり得る」と説明。肺組織が傷つくことで、粒子が循環に入りやすくなる可能性が示唆されています。
別の研究では、脳卒中や心筋梗塞を経験した患者さんの動脈プラーク中、マイクロプラスチックの量が51倍も高いことが確認されており、呼吸器からの曝露経路が主要な侵入ルートである可能性が高まっています。
専門家の反応と注意点
イェール大学医学部の循環器専門医、ジョイス・オーン・ヒャオ博士は、「この研究は、マイクロプラスチックが局所的な炎症反応を引き起こし、プラークの破裂を通じて心筋梗塞リスクを高めるという証拠を補強する」とコメント。
一方、研究に関わっていない専門家は「環境汚染物質が心血管疾患に寄与する可能性を示す証拠が増えているが、マイクロプラスチックが直接心筋梗塞を引き起こすと証明されたわけではない」と強調。観察研究であるため因果関係は断定できず、さらなる研究が必要だと指摘しています。
私たちにできること:曝露を減らすヒント
研究チームは、食品・水・空気中に広く存在するマイクロプラスチックへの曝露を減らす重要性を訴えています。個人で取り組める対策として、専門家は以下を推奨しています。
- プラスチック製の食品容器を避ける(特に加熱時)
- ペットボトルの水より、浄水器を通した水道水を選ぶ(ペットボトル水にもマイクロプラスチックが含まれることが確認されています)
- 換気を心がけ、室内の空気質を改善する
- 喫煙を控える(喫煙自体が心血管リスクであり、プラスチック粒子の吸入経路にもなります)





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